MARU-BASHIRA

宮大工の伝統技法「槍鉋仕上げ」で表面をデザインした丸太椅子。
槍鉋(※)は室町時代まで主要な大工道具として使用されており、社寺建築の丸柱の仕上げ等に用いられていたが、台鉋(※)と大鋸(※)が大陸から伝わったことで徐々に衰退した。凹凸のある仕上がりに見えるが、木の繊維を剥がすように削る特性から、ミクロレベルではどの道具よりも滑らかに表面を仕上げられ、水を弾き易く汚れにくい。

※槍鉋(やりがんな) … 先端がヤリ形状の刃物がついた大工道具。
※台鉋(だいがんな) … 現在一般的に使用されている、台座に刃物が取り付けられたカンナ。
※大鋸(おが) … 製材に用いたれた大きなのこぎり。